気の向くままに。

何を書くのか定まらないブログ。

『羅生門』読了

スマホ青空文庫のアプリを入れているのだけれども、これは本当に便利である。
読みたい作品をいつでもどこでも読める。

年末年始、恐らく今年に入ってからだと思うが、テレビで二宮和也さん主演の『坊っちゃん』が放送されていた。
元々ジャニーズ大好きなわたしは、二宮さん目当てでドラマを見たのだが、ストーリーの面白さに引き込まれてしまった。
夏目漱石の作品は『こゝろ』しか読んだことがなかったので、これを期に青空文庫できちんと作品を読んでみようと思ったのだ。

ただ300ページほどある作品のため、途中で飽きが来てしまった。
そんなところで別の作品も同時進行で読もうと思った。それが芥川龍之介の『羅生門』だったのである。
短編なこともあり、『坊っちゃん』よりも先に読み終わってしまった。

今の時代は素晴らしい。
数作品を同時に読んでもしっかり端末が管理してくれるのだから。

さて、『羅生門』は高校時代に読んだきりであった。
現代文の授業で扱われていて、そのときに「ああ、芥川の作品って面白いなあ」となんとなく思ったのは覚えている。

再度読んでみてもやはり面白かった。
人間の持つ心を生々しく描いており、人間誰しもが持っている利己的な部分を見せつけられる作品だった。

主人公の下人の人間臭さには、共感せざるを得ない。
下人の行動は善悪で判断しきれず、何が正義で悪なのか、結論を出すことはわたしには不可能だ。
恐らく同じ状況に置かれたら、わたしも下人のような心境になるのだろう。
そう考えると下人にとにかく共感してしまう。

爽快感があるわけではない。仄暗い印象すら受ける。
しかし、どうしても下人を軽蔑することもできない。
自分の弱さや狡さと向き合うことができる作品だと思う。